文章への憧れ

文章に憧れる。

文章とは即ち、その人の内容そのもので、実際には逃げも隠れもできないものだと思う。繕ったところで見る人が見れば看破されてしまう。

石原慎太郎の著書「私の好きな日本人」という本を最近読んだ。石原慎太郎は僕の好きな作家の一人である。その石原慎太郎が大好きな日本人の一人として小林秀雄を紹介している。

そこに小林秀雄が記した、中原中也との最後の会話を描写した文章が抜粋されていた。

『晩春の暮方、二人は石に腰掛け、海棠の散るのを黙ってみていた。花びらは死んだような空気の中を、まっ直ぐに間断なく、落ちていた。樹陰の地面は薄桃色にべっとりと染まっていた。あれは散るのじゃない、散らしているのだ。一とひら一とひらと散らすのに、きっと順序も速度も決めているに違いない、何という注意と努力、私はそんな事を何故だかしきりに考えていた。驚くべき美術、危険な誘惑だ。俺達にはもう駄目だが、若い男や女は、どんな飛んでもない考えか、愚行を挑発されるだろう。花びらの運動は果てしなく、見入っていると切りがなく、私は、急に厭な気持ちになって来た。(中略)その時、黙って見ていた中原が、突然「もういいよ。帰ろうよ。」と言った。私はハッとして立上がり、動揺する心の中で忙し気に言葉を求めた。「お前は、相変わらずの千里眼だよ。」と私は吐きだす様に応じた。彼はいつもする道化た様な笑いをしてみせた。』

天才はいるもんだ。凄くわくわくする。

I Love 地元

今回仙台に行って、仙台人と何人か話をしたが、皆口を揃えて「仙台が好きだ。」と言う。
「仙台から出たくはない。」と言う。

翻って東京育ちの自分はどうかと考える。多分東京を別に好きではない。昔から、田舎の自然や素朴さ、のんびりとした感じに憧れてきた。
田舎町で生まれ育ち、幼馴染の女性と結婚し、地元の商店街で店を構えて一生を過ごす。そんな生活に憧れたこともあった。生まれた時点で夢は潰えていたが。

でも、その憧れの延長線上でニュージーランドでファームステイをしたことがあったが、退屈だった。とてもじゃないが、一生というスパンであの生活を考えられなかった。

結局は無い物ねだりなんだと思う。やりたいことが多く、人生に求めるものの多い自分は、のんびりした生活なんてベストでも何でもないんだろう。

結局、僕は今の東京での生活を選んでいる。最初は与えられたものなのかもしれないが、今は自分で選んでいる。

仙台

3年前の学生時代に学会で訪れて以来の仙台に行ってきた。

一緒に行った友人の母校である東北大学のキャンパスに行ったり、芭蕉が「閑さや岩にしみ入蝉の声」と詠んだ山寺に行ったりした。

夜は国分町カニを食べ、飲み屋をはしごし、0時ぐらいまで遊んだ。

友人曰く、「今回の旅で仙台の9割は知ったことになる。」そうだが、仙台を充分に満喫できた旅だった。

こういう旅で面白いのは、何気ない街角だったりする。ここに住んでいる人達は何を考えていて、何を楽しんで、何をしたいと思って行動しているのかを観察するのは面白い。そこにはいろいろな発見があったりするし、皆生きているんだなと思うと何故か嬉しくなったりする。知らない町での散歩は好奇心を非常に刺激する。

都会も近くにあり、のんびりとした生活も近くにある。そんな仙台の生活は不快指数が低いんだろうと思った。

ずっと東京に暮らしている自分には、とても羨ましい生活がそこにはある。

伊達な旅だった。

プロフェッショナル

プロフェッショナルって何だろう。

この前読んだ本に「とりあえず10000時間を一つの分野に注げ」と書いてあった。

そうすれば、その分野でひとかどの人物になれるから。そうすれば、そういう人達と出会い自分をさらに高めることができるから。そういうことらしい。

今のペースなら3年で10000時間達成だなと思いつつ、確かにこのペースで3年働いたらこの分野では大分詳しくなるだろうなと感じる。

正直今の仕事は好きだ。平日あんだけ働いて、「休みたい〜」とか言いふらしつつ、結局休日も仕事しに行ってしまう。

今の分野のプロフェッショナルになりたいと思う。この分野で社会に貢献できたら素晴しいと思う。

仕事が好きだという気持ちを持ち続けられれば、いろんな困難を乗り越えられるだろう。

そしてその困難を乗り越える過程で、人としても成長できるんだろう。

たこ焼き

昔、母親に連れられ車で行っていた大型スーパーに、たこ焼きが売っていて、それがとてもおいしかったことを思い出す。

何故かとても食べたくなって、歩いてその大型スーパーに行ってみた。

かなり久しぶりにそのスーパーに入ったけれど、中の光の様子や子供の騒ぎ声は変わらずだった。

たこ焼き屋は、店の位置こそ微妙に変わっていたが、相変わらずやっていた。

昔は行列が常に出来ていたけど、今日行ってみたら誰も並んでなかった。

とりあえず、たこ焼き8個を買ってみる。

回りは家族連れや、カップルばかり。

一人でたこ焼きをひたすら食べているその光景は少し異様だったかもしれない。

でもたこ焼きの味は僕がイメージしていた昔のままだった。

それが非常に嬉しかった。

さすがに一人で8個も食べると最後の方は飽きてきたけど。

でも大分満足だった。

wicked

劇団四季の「wicked」を見てきた。

ミュージカルは昨年、ブロードウェイで「マンマミーア」を見て以来。

よく練られているストーリーだったと思う。

みんな歌唱力があり、迫力があった。さすが劇団四季

小学校の時に「足長おじさん」のミュージカルを見たのを思い出す。あの時は、見終わった後も、強烈な余韻が残って、家に帰ってからもその世界に浸っていた。

それを思うと、今回のはそこまでじゃなかった。

でも多分出来自体は「足長おじさん」より今回の「wicked」の方が良かったんだと思う。

変わったのは僕で、それは少し残念なことかもしれない。

そんな大人になる過程で、皆が一般的に感じるようなことを感じてしまった。

それにしても、日本でスタンディングオペレーションが見れるとは思わなかった。

Viva!!